純金積立

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純金積立とは

純金積立は、毎月一定額で金を少しずつ購入する投資方法で、金定額積立とも言われます。月々1,000円からはじめることができます。

購入した金は取扱会社に預けることになり、その間は買い付け報告書や残高報告書といった書類で金の保証されます。

金は毎日価格が変動するので高値掴みするなどといったリスクがあるのですが、純金積立の場合は、ドルコスト平均法」という方法により、リスクを回避することができます。

最低開始額が少ないことや、ドルコスト平均法でのリスクの低さから考えて、純金積立は、金投資の初心者に向いている投資方法だといえます。

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純金積立のメリット

1,000円から始められ、リスク分散もできる。
毎月の最小投資額が1,000円から1000円単位と金投資でも最小額となっています。金の投資の中では最も少額からはじめることができ、まとまった金額がなくても小遣い程度の金額でコツコツ貯めることができます。ドルコスト平均法という方法により、リスクを分散して効率良く金を購入することができます。

自動で積み立てることができる。
購入代金は、事前に指定した銀行口座から毎月自動引き落としされるシステムなので、毎回口座に入金したり、店舗に行ったりといった手間がかからず大変便利です。

スポット購入で、買付金額を増やして金を追加購入できます。金価格が安くなったときや、ボーナスが入って投資額が増えた時に、多く金を購入することができます。

金地金だけでなく、金貨や宝飾品とも交換できる。
積み立てた純金は、世界の金市場公認の金地金に交換できます。長く積み立てれば、それだけ大きな金地金を手に入れることが可能となるわけです。金地金だけでなく、金貨、金のジュエリーとも等価交換ができます。現金が必要な時には、希望の分だけ純金を売却して現金にすることもできます。積み立てた分がしっかり形に残るというのは嬉しいものです。

消費寄託なら運用益が顧客に還元される。
金の保管方法が消費寄託の場合、運用益が顧客に還元され、各種手数料が安かったり無料となったりします。消費寄託とは、顧客が購入した金の所有権を販売会社に移し、販売会社はその金を自由に運用できるという金の保管方法です。

金の保管方法にはもう一つ、特定保管いう方法があります。特定保管は、顧客の資産である金を、販売会社の資産と分離して保管する方法です。運用されないので運用益をもうらうことができませんが、安全に金を保管することができます。

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純金積立のデメリット

年会費や手数料がかかってしまう。
純金積立では、年会費または購入手数料がかかります。これらのコストは金取扱会社によって異なっており、投資方針にあわせて会社を選ぶ必要があります。ちなみに保管方法が消費寄託の会社だと、コストが少ない傾向にあります。金地金や地金型金貨の投資ではかからない費用なので、純金積立ならではのコストです。純金積立は長期的に運用するのが望ましいので、積み立てる会社は慎重に検討する必要があります。

倒産すると返却されない場合がある。
金の保管方法が消費寄託であった場合、取扱会社が倒産すると金が返却されなかったり、一部しか返却されない場合があります。特定保管という金の保管方法の場合ならしっかり保証されるのですが、消費寄託の会社が大多数なのです。消費寄託の場合は信用できる取扱会社を選びましょう。

ローリターンである。
純金積立はドルコスト平均法によってリスクが小さく安定していますが、リターンも低いです。ローリスク・ローリターンで堅実に積み立てていきましょう。

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純金積立に関わる税金

純金積立に関わる税金は、消費税と所得税の2種類です。しかし実際のところ、純金積立は税金に関して、ほぼ非課税になると考えられます。その理由を交えて以下で解説します。

消費税について
純金積立は金を売買する際に消費税がかかります。ここで注目したいのは、金を売却するときは、消費税分が売却金額に上乗せされるということです。つまり、純金積立において、消費税は売買によって相殺されることになるので、実質的にプラスマイナス0となります。

所得税について
所得税とは、金を売却して利益を得た時に課される税です。純金積立では、この所得税について考慮する必要がないと結論づけました。

その理由は、純金積立のみでは所得税が課税されるほどの取引にならない場合が多いからです。

所得税には控除額というものが設けられており、売却益が控除額以下であれば税金が非課税になります。個人での取引で、売却益が控除額より大きくなることはそうそうありません。控除額は、譲渡所得は50万円で雑所得は20万円となっています。

そもそも、金の売却による利益は、名目上、譲渡所得と雑所得のどちらかにわけられます。個人で取引する場合は、ほぼすべてが譲渡所得となります。一日に何度も取引するような場合のみ、雑所得に分類されます。

さらに、譲渡所得は金の保有期間によって、短期譲渡所得と長期譲渡所得に分けられます。保有期間が5年以内だと短期、5年超だと長期となります。ここで注目していただきたいのは、長期譲渡所得だと、課税金額が半分に減額されるということなのです。長期保有が目的の純金積立にピッタリですね。

所得税の分類と計算式を以下の表にまとめました。

所得税 計算式
譲渡所得 短期(保有期間5年以内) 売却価格 -必要経費- 特別控除50万円
長期(保有期間5年超) (売却価格 -必要経費- 特別控除50万円)×1/2

上記の表からも、長期譲渡所得はもっとも課税金額が少なくなるとわかります。基本的には、純金積立は長期的に運用するものであるので長期譲渡所得に分類され、かつ特別控除も50万円あるので、純金積立による税金はほぼ非課税になるのです。

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純金積立を始める人へおすすめの投資方法

純金積立は毎月3千円から数万円ほどのコツコツ貯めていくとよいでしょう。純金積立は投資最低額が最も少なく、かつ、ドルコスト平均法により高値掴みのリスクが低くなるので、効率良く金を積み立てていくことができます。

まとまった金額を用意せずとも、生活に支障をきたさない程度の金額で投資ができます。資産にゆとりがあるのであれば毎月の積立金額を増やしても良いでしょう。

純金積立ではスポット購入という方法で積み立てている分とは別に、さらに金を追加購入することができます。金価格が安くなったりボーナスが入った時にはスポット購入で多く購入できます。

自動で積み立てることができるので、積み立てていることを忘れ、安全資産として貯めておくことが望ましいです。利息がたまることはないのですが、将来のためにとっておきましょう。

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純金積立の手数料

純金積立をするときに、どんな手数料がかかるのかをさっくりと説明していきます。全部で5種類もあって、しかも証券会社ごとにそれぞれ違うのだからややこしいですね。

購入手数料
金を買うときにかかる手数料です。会社ごとに差があります。

売却手数料
持っている金を売るときにかかる手数料。これはかからない会社がほとんどです。私が調べた中では、売却手数料がかかる会社はありませんでした。

年会費
金投資の口座を持っているだけでかかる費用です。無料だったり、初年度のみ必要だったりと会社ごとに違います。

スプレッド
金を「買う価格」と「売る価格」の差額のこと。私たちが金を買うときの価格は高く、売るときの価格は安く設定されています。

証券会社には、ある瞬間の金を買う価格と売る価格が2つとも表示されています。
ある瞬間といったのは、金の価格は相場で変動していて買う価格と売る価格も常に動いているからです。

例をあげると、1gの金を4,000円で買ったとき、その瞬間に売ったとしたら3,900円で売れる。この差額100円がスプレッドになります。このスプレッドの値は、証券会社ごとに異なります。

引き出し手数料
積み立てた金を、金そのものにして口座から引き出すときの手数料です。どこも引き出す単位に比例して高くなります。そもそも引き出せない会社もあれば、重量問わず一定額のところもあります。将来、金そのもので引き出す予定があればちゃんと考慮しておきたい手数料です。

以下、これらの手数料を証券会社ごとに比較します。

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純金積立を扱っている証券会社の比較

純金積立ができる7社をまとめています。それぞれを比較してどのような特徴があるのか、どんな人に向いているのか説明します。

手数料と年間トータルコストの比較

※年間トータルコストとは、月々一定額で積立した場合の購入手数料と年会費の合計金額です。
例えばマネックス証券なら 3000円x2.7%x12ヶ月=972円

会社名 購入手数料(税込) 年会費 積立の年間トータルコスト(※)
月々3,000円 月々10,000円
マネックス証券 2.7% 無料 972円 3,240円
楽天証券 2.7% 無料 972円 3,240円
KoYo証券 無料 1,500円 1500円 1500円
田中貴金属工業 1,000~2,000円:5.0%
3,000~9,000円:3.5%
10,000~29,000円:2.5%
30,000~49,000円:2,0%
50,000円以上:1.5%
無料 1,260円 3,000円
三菱マテリアル 1,000円につき25円 840円 1,740円 3,840円
エース交易 1万円未満:5%
1万円以上:1.7%
初回のみ
2,100円
1,800円 2,040円
岡藤商事 無料 2,100円
(初年度3,150円)
2,100円 2,100円

3,000円で純金積立するなら、マネックス証券
1ヶ月 3,000円で純金積立をするのであれば、マネックス証券をおすすめします。

表の1年あたりの手数料を比較してみると、マネックス証券が最も安くなっています。楽天証券も同じ手数料体系なので良さそうですが、積立てた金を引き出す(金塊として手元に持つ)ことができません。マネックス証券では100gから金として引き出すことができます。もちろん、金を引き出す予定がないならば楽天証券でもかまいませんが、選べる手段は多いほうがいいですよね。

1万円以上で純金積立するなら、KoYo証券
1万円以上の積立をしたいとお考えであれば、KoYo証券をおすすめします。KoYo証券は購入手数料が無料です。年会費1,500円だけかかります。積み立てる金額にかかわらず手数料となるのは年会費だけです。多額の積立をするのに向いていますね。


各会社の売買システムの比較

※消費寄託・特定保管の違いは、純金積立での保管システムを見てください。

会社名 最小投資単位 売却
手数料
引き出し単位 引き出し手数料(税込) 保管方法
マネックス証券 1,000円以上
1,000円単位
または、
1g以上1g単位
無料 100g以上
100g単位
6,480円/本 消費寄託
楽天証券 1,000円以上
1,000円単位
または、
1g以上1g単位
無料 原則引き出せない 消費寄託
KoYo証券 3,000円以上
1,000円単位
無料 100g以上
100g単位
バーチャージ
(時価)
消費寄託
田中貴金属工業 1,000円以上
1,000円単位
無料 1kg
/500g/300g
/200g/100g
2,100円/本
(500g未満)
特定保管
三菱マテリアル 3,000円から
1,000円単位
無料 100g以上
100g単位
5,250円/本
(500g未満)
消費寄託
エース交易 3,000円から
1,000円単位
無料 5g以上
5g単位
2,100円
(重量問わず)
特定保管
岡藤商事 3,000円から
1,000円単位
無料 5g/10g/20g
/50g/100g
/500g/1kg
5g/10g/20g:4,200円
50g/100g:5,250円
消費寄託

最小投資単位をみてみると、金額を指定して積み立てる方法(定額)と、量を指定する方法(定量)の2つあります。定額で積み立てすることをおすすめします。これはドルコスト平均法を使うことで金を安く購入できる可能性があるためです。ドスコスト平均法とは、毎月一定額の積み立てを続けることで、金が安いときはいっぱいの金が買えて、金が高いときは買う量が控えめになることで、平均して購入単価が安くなる投資方法。この投資方法をするには定額で買う必要があるのです。すべての会社では売却手数料は無料となっています。金価格が高くなったな、と思った時にいつでも売却できるようになっています。


手数料比較:10年間積み立てた場合

長期積立し続けたらどれだけ手数料に差がでるのでしょうか?
3,000円と1万円と5万円で、10年間積立をしたときの手数料を比較しました。

会社名 3,000円で10年間
(総額:36万円)
1万円で10年間
(総額:120万円)
5万円で10年間
(総額:600万円)
マネックス証券 9,450円 31,500円 157,500円
楽天証券 9,450円 31,500円 157,500円
KoYo証券 15,000円 15,000円 15,000円
田中貴金属工業 12,600円 30,000円 150,000円
三菱マテリアル 17,400円 30,840円 150,840円
エース交易 20,100円 22,500円 106,200円
岡藤商事 22,050円 22,050円 22,050円

毎月3,000円ならマネックス証券、1万円、5万円ではKoYo証券が最も安いという結果になりました。

購入手数料がかかるが年会費はかからない会社(マネックス証券)であれば少額の積立に向いていて、購入手数料がかからないが年会費がある会社(KOYO証券)は多額の積立に向いているわけです。

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