金投資とは

最近の深刻な経済危機の中、金投資に対する関心が高まっているようです。株式投資などと比べ、あまりなじみが無い投資かもしれませんが、ここで、少し勉強しておいても損はありません。

純金について

金でもいわゆる純金は、混じり物の無い金、つまり金無垢のことです。通常、金の含有量が99.99%以上あるものを言います。100%の純金は、技術的に作るのは極めて困難なようです。金は鉱石で採掘された後、精製されて「地金(じがね)」が作られます。

日本では法律で純度が1000分の995以上のものと定められていますが、実際には999.9のものが作られ、流通しています。欧米では995以上、香港などでは990以上のものが主に流通しています。

金は貴金属としては最も歴史が古いものですが、現在は、貴金属だけでなく、変質しない特性を活かして工業・医療関係でも、様々な形で応用されています。医療関係で使われている金といえば、歯科治療の金歯をすぐ思い浮かべるかもしれませんね。

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投資としての金

また、純金は投資等、取引にも応用されています。純金は、価格が急落する可能性が少なく、安定性が高く、土地や建物などと異なり保有しているだけでは税金がかからない、などの特性があります。

金の特徴として、

  • 換金性が高く、世界中で現金交換できる。
  • 世界経済が不安定の時には価値があがる。
  • 限りある資源のため、将来的にも需要が高まる。

こうした点があります。

金の取引方法としては、現物取引と証券取引があり、それぞれ、現物取引には、金地金、金貨、純金積立が、証券取引には、金ETF、金先物取引、金鉱ファンドがあります。

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金取引の概要

金の取引は、世界各地で24時間取引が行われています。日本での金取引は、グラム当たりの円建てで行われます。つまり、国内価格は国際価格(1トロイオンス当たりの米ドル建て価格)を、その日の円/ドル為替レートで換算し、さらに31.1035で割ってグラム当たりの円建て価格を算出します。

実際の売買には、これに手数料と消費税が加わり店頭での売買価格となります。

日本国内で金の価格について考える際、米ドル建て価格の変動と、その時の為替レートの変動の両方を考慮する必要があります。また、国際価格はCIF価格を使用します。

CIF価格とは、CIF条件下での価格のこと。CIFとは、Cost, Insurance and Freightの略称で、商品が買主の指定する場所に届いた時点で、その商品の所有権が買主に移転するという取引条件のことです。

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金の価格の動き方

金はインフレヘッジ機能を持つといわれ、インフレ率が高まるとその需要が増え、低くなると需要が抑えられる傾向にあります。また、国際情勢に敏感に反応し、各国の株式市場の大暴落などが起こると、現物資産である金へ資金がシフトされる傾向が現れたりします。

金は世界の主軸である通貨のドルと密接な関係にあり、金の国際価格はドル建てとなります。

通常、ドル建ての金はドルの上昇傾向においては下落し、逆にドルの下落傾向においては上昇することになります。こうしたドル相場とドル建て金価格の逆相関性は、ドルの裏付けに金が使われていたという歴史的事実に由来するといわれています。

日本は輸入国のため、金の価格は、円安では高値に、円高では価格の安値につながります。

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金での資産運用を考えるのなら

金は、企業の倒産や、政治に影響される株式・債権・外貨 などの投資商品に比べて、それ自体に利用価値があり、実態的な価値と結びついている、というところが、今注目されている最大の理由でしょう。

ある程度資産を持っていて、その資産を長期的に守りたい、という人には金は向いているとも言われています。

一方で、金は、債権などとは違うため、利息のようなものは一切発生しません。それなのに、価格的には、ある程度市場の値動きに左右されることになります。

また、金の取引はドル建てが基本なので、金の売買を行うときは、為替相場の変動にも影響される、といったデメリットもあります。

このような金投資のメリット、デメリットを頭に入れた上で、金取引を考えてみると良いと思います。

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